利根鱒、まさかのビギナーズラック
- dolphinrocket
- 2017年5月11日
- 読了時間: 4分
関東に引っ越してきて、一番の不安は「これからどこへ釣りに行けばいいんだろう?」であった。
和歌山で堪能した渓流あまご釣り&サツキマスをめぐる冒険。自磯でのディープなヤエン釣り。
関東にそんな血肉湧き踊る釣り場があるのか?
色々さがしてみて、まず目に留まったのが「利根鱒」だった。
おおー!
これはいいかもしれない。
利根鱒ってサクラマスなんでしょ? まあ、サツキマスにも「モドリ」とか「サボリ」とか「シラメ」とかいろんな呼び方があって、どこまで降ったとか基準があって。でも、利根川で釣れるモドリ系ヤマメをひとこと「利根鱒」って言い切ってるところがなんか潔くて良いです。
で、GWは激混みという情報を聞いていたので、明けを狙っての初トライ!

GW明けは暑い日から急転直下の肌寒い雨と、天気は激変。
でも、利根大堰下はいい感じの水量で雰囲気はいいじゃないですか。

ふと、気づいたんだけど、利根大堰のすぐ下で腰まで川に浸かって釣ってる人たちは、一様に同じようなアクションをしている。
1)川の流れに向かって垂直にミノーを投げる(必ずしも遠投しているとは限らない)
2)軽くトゥイッチを入れつつ、テンションを保つ。ルアーは流れに乗って下流へ
3)ルアーが流れに頭を向けるあたりで軽くジャーク(まるでエギングのよう)
見たことない!
本流でこんな釣り方。しかもみんな同じ。
僕の持っているタックルは完全に本流向けの遠投用のものか源流にちかいところの渓流用のものしかなく。
本流でこんな繊細な釣りをしているとは思わなかった。
しかし考えていてもしょうがないので、ここは割り切って和歌山式本流タックルで臨むことに。
ルアーは釣り具屋さんで選んだスプーン(ダイワ・チヌークのアカキン)。
そして和歌山で絶大な実績をあげたエギングロッド(笑)。
で、なんということでしょう。トライ初日目の朝まずめにいきなりきてしまいました。

ヒレ先の黒々とした利根鱒、45センチ。
うぁああーっ!
釣った時の状況はというと、、
朝の5時くらいから開始して、人の多い大堰付近はスルーしてテトラ部へ。
そして、テトラ部でもかなり下流側へ。
しばし投げても全く反応はなく、「ああ、やっぱり利根鱒、渋いわぁ」と、場所替えして更に下流へと移動した直後のことだった。
最初、穂先が持って行かれた時は「あ、ニゴイかぁ」と無条件でそう思ってしまった。
しかし、引きがワイルドすぎる。
「あれ?」
銀ピカの魚体が見えた時、自分の目を疑うのであった。
「え、もしかして!?」
初見の僕でも一目でわかった。ヒレ先の黒々としたところまではっきりと見えたし。
そうなると、いきなり体が硬くなる。
「バラしたくない!」
つい、タモを早く出してしまう。
しかし、手前に寄ってるのに、反転、また反転。
反転してローリング!!
「間違いない!!」
多分、10回以上、反転を繰り返し、やっとタモに収めた。

みっともない取り込み方だった・・・。
とにかく逃したくないから、力ずくでもタモに入れる。
そんな時はよくバラすんだよね。
はぁ。タモに入ってくれてよかった。
そして、放心。
「え、釣っちゃったの? 利根鱒。しかも初日の朝に」
これをビギナーズラックと言わずしてなんと言おうか。
大堰下ではみな黙々とルアーをキャストしていて、1日に1本出ればいいほうだ、という日もあるのだ。
見回りに来た漁協の人も驚いていた。
「ええっ、こんなところで釣ったの!?」
そう、ほとんど釣れない魚をほとんど釣れたことのない場所で釣ってしまったのだ。
しばらくして、釣り上げたことを聞きつけたアングラーがやって来て、
「僕、1ヶ月通って、まだ1本も上げてないんです。あやからせてください」
と、拝まれた。
そうか。そうなのか。
誰の人生でも、「持ってるな」「神ってるな」なんて言われる瞬間が、そういうタイミングがあるんだと思う。
まさに、今がその時なんだろうな。
そして、後になればなるほど、信じがたい瞬間だったのだ、と思うのであった。

と、いうことで、もう、利根鱒に夢中だ。
できれば5月中にもう1本。50センチ越え、狙いたい。
そんな、調子いいことを考えている。
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